ミラノ・コルティナ五輪が開催中で連日盛り上がっていますね。2月6日(現時時間)開会式が行われメイン会場であるサン・シーロスタジアムで披露されたマライヤ・キャリーの歌唱が口パク疑惑で話題になっています。
私も開会式を楽しみにしていたので、朝の3時すぎからテレビの前でスタンバイし、リアルタイム視聴しておりました。ヤマザキマリさんのイタリア通な解説も楽しく、ファッショナブルで芸術性に溢れ本場のオペラも聴けて、平和を掲げる式典に感動していました。
そんななか、煌びやかな舞台にマライア・キャリーが登場。日本でも12月になると「恋人たちのクリスマス」が響き渡り30年以上1位の不動のヒット曲がある歌姫として有名ですよね。
しかしそのマライアが歌い始めると、その音声には違和感を感じたのです。歌唱シーンの会場音とのPAというか機材の問題かな?口元とのズレはそう感じない。その時点では会場中大きな拍手と歓声で賞賛されているように見えたので、え?私の耳がおかしいのか?と思い検索してみると、口パクではないかという書き込みで溢れていました。
次第に連日SNS上でも同様の多くの声が上がりましたので、やはり、と思い、しばらくこの件を追いかけてみることにしました。
そもそもなぜイタリアの祭典に米国歌手であるマライアが選ばれたのか?本当に口パクだったのか?マライアはイタリアで人気があるのか?他に歌唱に相応しいイタリア歌手はいなかったのか?過去のオリンピック開会式・閉会式でアーティストの口パク歌唱の例はあったのか?など、公式歌唱動画も照らし合わせながら検証してみたいと思います。
マライア・キャリーは開会式で何の曲を歌った?
開会式全体を観られる方は開始から15分後あたりでマライヤ・キャリーが現れますのでぜひチェックしてみてください。真っ白なドレスに身を包み(衣裳に着いては後に言及)イタリア語で「Nel blu dipinto di blu(青く塗られた青の中で)」(「Volare」ボラーレ原曲)を歌い始めました。歌唱はイタリア語です。マライアはイタリア語が話せないようです。それって大舞台で歌うのは普通に難しいですよね。
「Nel blu dipinto di blu」は、1958年にリリースされたイタリアの名曲、カンツォーネです。アメリカ人のマライア・キャリーですが、イタリアの名曲を選んでいるのは良い事ではないでしょうか。この曲は、アメリカでも大ヒットした曲だそうです。夢の中で青空を飛び幸せを感じた体験が歌詞になっています。
曲が誕生した翌年の1959年はアメリカでグラミー賞が創設された年で、『青く塗られた青の中で Nel blu dipinto di blu』は、記念すべき第1回グラミー賞の最優秀レコード賞および最優秀楽曲賞に輝いています。グラミー賞受賞歴のあるマライヤが歌唱するのは縁がある、とも言えるでしょう。
歌唱時の衣裳とジュエリーはどこのブランド?
「ロベルト・カヴァリ」超一流イタリアファッションでやはりイタリア製を選んでますね。
衣裳やジュエリーについて詳しい記事をリンクしておきます。(歌唱時の画像あり)
>>ミラノ冬季五輪開会式で歌唱したマライア・キャリーの衣装は「ロベルト・カヴァリ」 象徴的なアーカイブに着想を得た特注品
マライアは「ロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)」のカスタムメイド衣装を着用し、イタリアで愛される「Nel Blu Dipinto Di Blu(Volare)」をイタリア語で熱唱したほか、自身の代表曲のひとつ「Nothing Is Impossible」を披露した。
クリスタルカラーのスワロフスキー装飾を全面にあしらったデザイン
(上記リンクサイトより)
同ブランドのクリエイティブ・コンサルタントであるファウスト・プリージが手掛けた一着。きらきらとライトに反射するスワロフスキーが綺麗でした。
ジュエリーは、メゾン、Levuma 天然ダイヤモンドをあしらったハイジュエリー。Page Sixによれば、ジュエリーは合計で、1500万ドル(約23.5億円)相当だという。
マライアは現在56歳。そう思うと高音が出にくくなるのは自然なこと。にしても年齢を考えると肌艶も良く若く見えて綺麗でした。そりゃあ美容にお金もかけているとは思いますけど。
全身ホワイトのキラキラゴージャスな衣裳とふわっふわにセットされたヘタスタイルで、高価な衣裳とジュエリー、気合と華美なムードはバッチリです。イタリアの名曲をイタリア語で披露する準備は完全に整っています。
では、肝心な歌唱について、続きます。
動画で検証|ミラノ・コルティナ五輪開会式 マライア・キャリー歌唱公式動画
Mariah Carey公式動画で早速歌唱シーンが上がってますので、確かめたい方、ぜひご覧になってください。↓↓
空から見たブルーの会場の美しさがよくわかりますね。テレビで見た時よりもあまり違和感がないような気もしますが、急な高音を出すときもあまり身体が動いてないようにも見えますね。
お腹から声を出す時はもっと上体を反らしたり、お腹が動くような気もします。表情にあまり動きが無いのも気になりました。
こちらはコメントが基本英語なのですが、日本のテレビ局が歌唱部分だけをアップしてる動画には結構辛らつなコメントが並んでいました。口パクだと感じている人は多いようです。
彼女の口パクは今に始まった事ではない、という意見も散見されます。東京ドームコンサートでも口パクだったとか。(あくまで意見で真実かどうかはわかりません)
「すぐに口パクと分かった」という声も多いです。息を深く吸ったり吐いたりする仕草は見られないし、鎖骨や肺の律動も感じない、胸回りが全然動かない。よく日本人歌手でも高音、ハイトーンを出す時は腕を振り上げる動作をする人が多いので、わかりやすい不自然さですね。
彼女独特のハイオクラーブも昔は出ていたでしょうけど、今は事前録音とコンピュータ処理、
A Iも使っているかもしれない。「そこまでしてマライア・キャリーを、
わざわざゲストとして呼ばなくてはいけないのか?」という声もありました。
マライア・キャリーはイタリア系なの?イタリアとの縁はある?
マライア・キャリーはイタリア系ではないです。ベネズエラ系移民のアフリカ系アメリカ人の父親とアイルランド系アメリカ人の母親の間に生まれた3人兄妹の末っ子で、ニューヨーク州ハンティントンに生まれました。
イタリアとの縁は、母親がオペラ歌手なので自然とイタリア語の歌を練習していたのを幼少期に聴いていたのです。イタリア語が全く出来ないというわけでもないのですね。
そういう経緯でオペラの故郷イタリアに合う名曲「Volare」を歌ったようです。2026ミラノ・コルティナ五輪開会式で歌う曲としては相応しい選曲だと思います。
また、イタリアで特別にマライア・キャリーが人気者なのかどうかについても調べてみましたが、特にこれといって「マライアはイタリアで超人気」などの情報は得られませんでした。リサーチ不足だとしたら申し訳ありません。
なぜイタリア人でないマライアが開会式歌唱歌手に選ばれたかを予想・検証
だったらなぜ? なぜオリンピック開会式、大舞台のシンガーにマライアが選ばれたのか。その理由をSNSやネットニュースやそのコメント欄の声などを調査して幾つか予想してみました。
- 宣伝の為にマライア側から五輪委員会側にオファーがあった。いわゆる逆オファー。
- 先に述べたように、母親がオペラ歌手だったから。
- 五輪大会の最大手スポンサーはアメリカの放送局なので、アメリカの視聴者へのサービス
- アメリカのビッグスポンサーに配慮した。
- ピザやパスタが大好物なのか?(面白い。これは違うようです)
やはりオリンピックの最大のスポンサーである米国への配慮、という意見が多いようです。五輪は試合日程がアメリカ優先で設定されてますからね。アメリカの放送局から強い要望があったのかもしれません。
ちなみにピアニストで出たランラン(中国)もエアピアノだったのでは?という意見もありました。弾いてはいたけど、会場や放送で聴こえている音源は録音済ということかもしれません。
過去にはレデイー・ガガやセリーヌ・ディオンも他国歌手でも開会式で歌唱済
開催国出身以外の歌手が開会式で歌唱を行う例はあります。パリ五輪でのレディー・ガガやセリーヌ・ディオンの歌唱が記憶に新しいです。ただ、今回のような口パク疑惑は起こらなかったどころか素晴らしい歌唱でした。フランスに縁があるというよりは、ビックネームの歌唱シーンで式典を盛り上げるのが目的だったのではないでしょうか。
マライアの微動だにしない歌い方とは対照的に手振りや喉を震わせて、感情のこもった表情や動きに溢れてパッションが伝わり、とても感動しました。
イタリアの人気ミュージシャン、バンド「マネスキン」はなぜ出なかった?
イタリアといえばマネスキン、『マネスキン(Måneskin)』なぜ選ばれなかった?という声が多いようですが、私も登場するのはないかと開会式に期待を寄せていました。閉会式に出るかも、そう思ったのですが、今回はないかもしれません。4年前のタイミングなら間違いなくオファーがあったと思うのですが、現在バンドは休止中で、ボーカルのダミアーノ・デイビッド (Damiano Davidがソロ活動中なのですね。
マネスキンはベースの女性、ヴィクトリアが胸をポロリするかもしれないので、お子様の視聴には目の毒、なんて声もあり笑ってしまいましたが、日本の夏フェス、サマソニに来てくれて素晴らしいステージを見せてくれたのでバンド活動再開も期待しています。
オリンピック開会式の口パクは例はある?
オリンピックの開会式だと割とよくある、という意見も目にしました。
ロンドン・オリンピックの時は開会式・閉会式とも音楽要素が濃くてとても盛り上がりました。ポール・マッカートニーが主催者から口パクを勧められたそうなので、口パクは実際にあるのでしょう。
ポールが口パクを断って生歌唱ライブで歌ったら、バックで何故かポールの別の歌声が聞こえるという現象が起き、スタジアムでの生歌唱は難しいという現実が炙り出された気がしました。
大会側はとにかく秒単位で過ぎていく開会式をトラブルなく遂行していかなくてはいけません。歌手から「生歌唱で行く」と言われない場合は、口パクを勧める現実があるのかもしれません。
まとめ
といっても、例え大会側から口パクでもいいですよ、と促されていたと仮定しても、「生歌唱で」と通してほしかったのが本音ですね。
そう思っていたら、本日2月11日のテレビ番組「ミヤネヤ」五輪裏ネタコーナーにてマライヤの口パク疑惑の話題が出ました。スタジオでは、「本人が出てくれるだけでもいいのでは?」「口パクということは、本人の声で録音はしてる、ということだし」と割と口パクに好意的な意見でした。
裏事情をよくご存知な方々がこう言っているということは、スタジアム式典での口パクは割りと行われているものという認識なのかな?と深読みしてしまいました。
もちろん成功例も多いです。同日でいうと、テノール歌手アンドレア・ボチェッリがジャコモ・プッチーニ作曲の歌劇『トゥーランドット』から『誰も寝てはならぬ』生歌唱を成功させています。マライアと同じスタジアムの条件です。条件が違うのは母国語であること、BGMの環境くらいでしょうか。
この曲が披露された時は、これぞ「歌い上げる」といった感じで聖火点灯と同時に会場を盛り上げ大いに感動しただけに、マライアの方は少し残念な出来事でした。
イタリアのオペラ歌手や自国の歌手のみ起用でオールイタリアでやったほうが良いのでは?という声も多かったけれど、スポンサーとか色んな事情が絡んでくるので米国ビッグネームの登場も必要なのでしょう。
色々書いてしまいましたが、慈善活動家でもあるマライヤ・キャリーのことは好きです。そんな一面を知らない人も多いでしょう。
低所得者層の恵まれない子ども向けの支援をされてますし、東日本大震災の時には「日本のみなさんへ私の愛と祈りを贈ります」とツイッターを通して励ましの言葉を贈ってくれたことも忘れたくないです。これからも、応援しています。
開会式で披露したマライヤの歌声は生歌なのか口パクなのか知りたかった方にとって、少しでもお役に立てる情報がありましたら幸いです。
残りのオリンピック、楽しみましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
